RESEARCH

群馬県の建設会社201社の
ホームページを、全部、測りました

調査日 2026年9月15日
対象 群馬県建設業協会 会員名簿 掲載201社(全数)
調査・公開 株式会社トゥモローステッド

「ホームページは大事です」と言う会社はたくさんあります。けれど、実際に何社を測って何秒だったのかを公開している会社が、私たちの知る限り国内に見当たりません。そこでまず、自分たちの隣にいる業界から測ってみることにしました。以下は意見ではなく、測った数字です。

11 スマホでの表示が、Googleの合格ライン2.5秒以内に終わった会社 表示速度を測れた182社中。全体の6%
54% 表示に10秒以上かかっていた会社 182社中98社。中央値は11.1秒
70% スマホで電話番号を押しても、発信できないサイト 187社中131社。番号が文字で置いてあるだけ

なぜ測ったのか

ホームページの良し悪しは、これまでほとんど「感想」で語られてきました。作り手は「今風でない」と言い、経営者は「困っていない」と言う。どちらも間違いではありませんが、噛み合いません。

噛み合わせるには、同じ物差しで測った数字が要ります。幸い、表示速度も、スマホでの見え方も、通信の安全性も、今は機械で測れます。私たちは自分たちで採点プログラムを作り、群馬県建設業協会の会員名簿に載っている全201社を、一社も選ばずに測りました。

調べ方

対象群馬県建設業協会の会員名簿に掲載され、ホームページのURLが記載されていた201社(抜き取りではなく全数)
調査日2026年9月15日
方法自社開発の採点プログラムで各サイトを読み込み、機械的に判定。表示速度はGoogleのPageSpeed Insights(モバイル)の値を使用
配点表示速度30点/スマホ対応20点/通信の安全性15点/検索結果での見え方15点/問い合わせ手段10点/更新状況10点=100点
除外自動巡回を断る設定(robots.txt)のサイトは測定していません

201社のうち187社を採点できました。残る14社の内訳は後述します。表示速度はそのうち182社で取得できています。

結果① 全体

187社の平均は71.1点、中央値は74点でした。

A(80点以上)52社・28%
B(60〜79点)100社・53%
C(40〜59点)30社・16%
D(40点未満)5社・3%

項目ごとに見ると、弱いところがはっきり分かれました。

項目平均点達成率
表示速度18.1 / 3060%
更新状況6.3 / 1063%
問い合わせ手段7.3 / 1073%
検索結果での見え方11.3 / 1576%
スマホ対応16.1 / 2080%
通信の安全性12.0 / 1580%

結果② 表示速度 — ここだけが突出して悪い

スマートフォンで開いたとき、画面の主要な部分が表示され終わるまでの時間です。Googleは2.5秒以内を「良好」としています。

2.5秒以内(良好)11社・6%
2.5〜4秒14社・8%
4〜10秒59社・32%
10秒以上98社・54%

棒の長さは182社に占める割合。Googleが「良好」とする基準は2.5秒以内(青)。

中央値は11.1秒。20秒を超えていた会社も41社(23%)ありました。

そして、総合点の高い会社でも速度は遅いままでした。A評価(80点以上)の52社のうち、表示時間を取得できた48社の中央値は10.1秒。2.5秒以内に収まっていたのは、そのうちわずか3社です。つまりこれは「古いサイトだけの問題」ではありません。

この数字の読み方

表示速度は、中位のスマートフォンと低速な4G回線を想定した条件で算出された値です。手元の高速な回線で開けば、もっと速く表示されます。ただし201社すべてを同じ条件で測っているため、比較と分布の把握には使えます。

また、表示速度は日や時間帯によって変動します。私たちは同じサイトが同じ日に5.1秒と57.2秒になった例を確認しています。個社の値ではなく、分布としてお読みください。

結果③ 通信の安全性

  • 協会の名簿に載っているURLが http://(暗号化なし)のまま — 116社・62%
  • http で開いても暗号化された接続に切り替わらない — 50社・27%
  • 暗号化された接続で開くと警告画面が出る、または開けない — 30社・16%

名簿のURLが古い表記のままでも、実際には自動で切り替わる会社が多くありました。問題は残る50社です。閲覧者のブラウザには「保護されていない通信」と表示されます。

結果④ スマホでの見え方

  • スマホ用の指定(viewport)が無く、PC画面が縮小表示される — 37社・20%
  • 画面幅に応じた切り替えの指定が見つからない — 32社・17%
  • 満点だった会社 — 124社・66%

5社に1社は、スマホで開くとPC用の画面がそのまま小さく表示されます。指で広げないと文字が読めない状態です。

結果⑤ 検索結果での見え方

  • 検索結果に出る説明文(meta description)が無い — 36社・19%
  • SNSやLINEに貼ったときの画像(OGP)が無い — 74社・40%

説明文が無いと、検索結果の紹介文には本文の切れ端が自動で拾われます。会社を選ぶ場面で、そこだけが他社と違って読みにくくなります。

結果⑥ 問い合わせ手段 — 最も安く直せて、最も効く

  • 電話番号がリンクになっておらず、スマホで押しても発信できない — 131社・70%
  • 問い合わせフォームが無い — 44社・24%
  • サイト内に連絡手段が見つからない — 10社

建設会社への問い合わせは、いまも電話が中心です。それなのに7割のサイトでは、番号が画像や文字として置いてあるだけで、スマホから押しても電話が立ち上がりません。番号を控えて掛け直す手間が挟まります。これは1行の修正で直ります。

結果⑦ 更新状況

  • 画面に見える年(著作権表示など)が2022年以前 — 33社
  • 年の表示が一切ない — 19社
  • 2026年の表示がある — 86社

最も古い表示は2006年でした。中身が更新されていても、フッターの年が古いままだと、訪問者は「もう動いていない会社かもしれない」と受け取ります。ここも直すのは一瞬です。

結果⑧ そもそも、たどり着けなかった10社

協会の名簿に載っているリンクから、ホームページに到達できなかった会社が10社ありました。サーバーが応答しない、ページが存在しない(404)、掲載URLに全角文字が混じっていて開けない、といった内容です。残る4社は自動巡回を断る設定のため、こちらの判断で測定していません。

この10社は、点数が低い会社より深刻かもしれません。業界団体の名簿という、最も信頼される入口から辿っても、会社の情報に行き着けない状態だからです。

調べたけれど、事実ではなかったこと

調査前に「人手が採れていない会社ほど、サイトが放置されているのではないか」という仮説を立てました。記事になりそうな話です。

結果は、求人情報の記載がある131社の平均71.7点に対し、記載のない56社が69.9点。差は1.8点で、関係があるとは言えませんでした。数字が支持しなかったので、この話は書きません。

この調査で決めたこと

  • 個別の会社名と点数は公表しません。順位をつけることが目的ではなく、業界全体の状況を明らかにすることが目的だからです
  • 対象は名簿に載った全社です。都合のよい会社を選んではいません
  • 自動巡回を断っているサイトは測っていません
  • 採点の配点は当社が設計したものです。絶対的な基準ではありません

この調査から言えること

1. スマホ対応とSSLは、多くの会社が済ませている。8割前後が対応済みでした。作り直した会社が多数派です。

2. それでも表示速度は遅い。速度は「作り直した時点」では問題になりません。その後に写真や機能が積み上がって、少しずつ遅くなります。だから作った側も気づかないまま、数年かけて重くなります。総合A評価の会社でも中央値10秒だったのは、そういう理由だと考えています。

3. 直すのが最も簡単な項目ほど、放置されている。電話番号をリンクにする、フッターの年を直す、説明文を1行入れる。どれも費用はほとんどかかりません。それでも7割・2割・2割が未対応でした。気づく機会が無いだけだと思います。

御社のサイトも、同じ基準で測れます

この調査で使った採点と同じ判定を、どなたでも無料で使えるようにしています。URLを入れるだけで、登録も費用も要りません。

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報道関係の方へ

本調査の集計データ(個社名を除く)、採点基準の詳細、追加の集計は無償でご提供します。引用・転載は出典を明記いただければ自由です。info@tomorrowstead.com までご連絡ください。

次回は全国の歯科医院を対象に、同じ方法で調査を行います(2026年内)。